さて、今回は宇都宮市のお客様から『パソコンの時間が何度直してもずれたり、時々起動できない』との症状で修理のご依頼があり、解決しましたので公開したいと思います。

皆さんはパソコンの中にちっちゃなボタン電池が入っているのをご存知ですか?

上の写真は実際に交換作業をしたノートパソコンのマザーボード上に取り付けられているボタン電池の写真です。このボタン電池の事を一般的に『バックアップ電池』などと呼んだりします。

この事があまり知られていないことを最近になったわかったので、せっかくなのでここで少し解説をしたいと思います。

知っていたから何かできるとう訳でもないのですが、もし不具合などが起きた時に、もしかするとこのボタン電池の交換だけで直るとしたら安いものかなーと思いますので、興味のある方はご覧になってくださいね。(^ .^)/

まずは交換作業風景からどうぞ!(・o・)/

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①.分解前
②.分解開始
③.分解完了 (この機種はやり易い!)
④.これがマザーボード
⑤.これがボタン電池
⑥.交換完了

上の写真のようにパソコンの中にはノート、デスクトップに関わらず小さいボタン電池が入っています。

このボタン電池は何をしてるの?

最初にこのボタン電池の事を『バックアップ電池』と言いましたが、パソコンに保存したデータはパソコンの電源が切れても消えることはありませんよね。ではこの電池は何をバックアップするために存在しているのでしょう?

じつはパソコンの中の『マザーボード』と呼ばれるメイン基盤には『BIOS(バイオス)』というプログラムが組み込まれています。

このBIOSには様々な設定があって、その設定情報を記憶しているのが『CMOS(シーモス)』と呼ばれるメモリーです。このメモリーはハードディスクのように電源が切れてもデータを維持できる訳ではなく、ボタン電池の電力で維持しています。その記憶している主な情報が次の二つです。

  • マザーボードに記憶された『日付・時間』情報の維持
  • マザーボードに記憶されている『BIOS』設定の維持
さて、ではもう少し詳しい説明にはいります。これ以降はCMOSも『BIOS』の一部として全て『BIOS』の表記で書いていますのでご了承ください。

BIOSってなに?

ではその『BIOS』っていったい何?という事になりますが、正式名称を『Basic Input/Output System』と呼び、一言でいうとパソコンのハードウェアを制御するためのプログラム(ソフトウェア)という事です。私のように昔から自作パソコンを使っている人には慣れ親しんだ言葉でもあるんですね。

もっと分かりやすく言うと、パソコンに使われているキーボード、ディスプレイ、HDDなど様々な機器(デバイス)を、OS(Windowsなど)に認識させて動かすためのソフトウェアで、『OSと機器との通訳』というと分かりやすいかもしれませんね。つまりこの『BIOS』があるおかげでCPUやHDDを認識し、キーボードやマウスを操作すれば動いてくれるという訳です。

もっと詳しく知りたい方はこちらからウィキペディアを参照ください。

皆さんは『オーバークロック』とか『かつ入れ』なんて言葉を聞いたことはありませんか? これはCPUに強制的に高負荷を掛けて通常の能力を超えた処理速度を実現させる、自作派では良く行われていた行為なんですが、このを設定を行うのが『BIOS』なんです。

その昔、一度だけ失敗して6万円のCPUを黒焦げ(通称:やきとり)にしたことがありましたがそれも懐かしい想い出です。(´;ω;`) 今でもやっている人いるのかな?

さて、このようにパソコンにはとても重要な存在なのですが、自作機以外の現代のパソコンでこの『BIOS』を気にする必要はまったくありません。すでにメーカー側で出荷前に設定済みのため、一般的にここに触れる事はまずないでしょう。

電池が切れるとどうなるの?

まずこのバックアップ電池の寿命は通常であれば4~5年という説が一般的です。

ですが10年も変えていないのに普通に使えている人や、3年で交換になる人もいるなど、いったいどこに基準があるのか正直なところ私にもわかりません。

「コンセントを抜かなければ長く持つ」、「パソコンの機種」、「電池のメーカー」、「パソコンの使い方」、「マザーボードのメーカー」などこれには様々な説がありどれが本当なのかわからないのが現状です。

ではこのバックアップ電池が消耗するとどうなるのでしょう?

最初に書いていますので一つはもうお分かりですね。主な症状は以下通りです。

  • 直しても起動するたびにパソコンの時計がずれる
  • パソコンが起動しない、OSが立ち上がらない
  • 起動途中にフリーズして進まない

このような症状が現れます。

日付がずれるというトラブルでのボタン電池交換は何度かありますが、それ以外の実際にあったケースでは、5年くらい使ったパソコンを高速化するため、起動ドライブをSSDに、データドライブをHDDにしていたところに電池が切れ、BIOSがデフォルトに置き換わったために起動ドライブが見つからず起動できないという事例が1件。

また、パソコンは正常に起動したが、あるソフトがエラーで立ち上がらず、さんざん悩みに悩んだ末に日付がずれていたことが原因だったという事もありましたねー。そのいずれも原因んはこの電池の消耗でした。

以上のように電池が消耗してBIOSの設定を維持できなくなるといろいろなトラブルを引き起こします。

電池切れはどうやって確認するのは?

『電池切れが原因かも?』と思ってもそう簡単には確認できません。

一番の兆候として日付のズレが頻繁に起きる』、この症状が出始まったら間違いないでしょう

他にも『パソコンが起動しない』というケースも疑いはありますが、この場合はそれ以外の要因の方が多いので特定はできません。

あとは私のようなサポートに依頼してボタン電池を交換し、古い電池の電圧を計測してみるのが一番確実かもしれません。

ちなみに私の場合は『CR2032』というボタン電池を常に2つくらい持ち歩いています。ほとんどのパソコンがこの電池を採用しています。

この電池の交換もデスクトップPCであれば簡単なんですが、ノートパソコンともなると上記の写真のように少々難しくなってきます。

それでも新しいパソコンを買う事を考えれば、安く済んで何よりだと思います!
(・∀・)っ

以上、ボタン電池の交換作業の紹介でした。

何かお気づきの点などござましたらお気軽にご連絡くださいねー!

ヾ(≧▽≦)ノ゙