左からHDD、NAS、Wifiルータで、2014年に構築したネットワークドライブ環境です。
現在の容量はNAS=2TB、HDD=8TB、合計=10TBの構成。最大18TBまで増設が可能です。ちなみに現在の使用量は全体の75%でまだまだ余裕がありますね。外付けHDDはUEBタイプですが、NASのデバイスサーバー機能を利用してLANに接続。NASとは少々使い勝手が異なりますがネットワークからのアクセスも可能で大容量になっています。更にセキュリティを考慮してVPN接続を構築しています。

現在の主流になりつつあるクラウドやオンラインストレージも魅力的ですが、容量や費用的にまだまだ難しいと言った声をよく聞きます。そのような場合にはこのような構成も検討してみてはいかがでしょうか?
お客様のところや外出先で書類が見れなくて困ったり、大量の書類をカバンで持ち歩いたり、膨大な紙の資料を手作業で保管したり、そんな余計な仕事から解放され、さらに社員全員でデータが共有できたら便利ですよね。

 

■NASの特徴
まずNASとはNetwork Attached Storageの略称で、ネットワーク上で共有することができるLAN接続型の外付けHDDのことです。PCだけでなくスマホやタブレットからもアクセスでき、且つインターネットを利用して外部からも接続することが最大の特徴でしょう。価格は2TBのシングルドライブ構成で約2万円前後です。

 

■外付けHDDの特徴
USBで繋ぐタイプが一般的で、NASのようにネットワーク機能を持っていないため直接LANに接続することはできません。但しデバイスサーバー機能(NetUSBも同様の機能です)を使ってネットワークに接続できますので、PC限定ではありますがインターネットからでもアクセスは可能です。(スマホやタブレットからはアクセス不可) と、NASと比較すると利便性は低くなりますが、なんと言ってもローコストが魅力です。例えば2TBであれば約8,000円前後とNASの約半分ほどで手に入ります。

 

■もう一つ重要な要素 : 製品寿命
さて、もう一つ重要な要素として『製品寿命』があります。現在の相場で比較すると、8TBのNASが6万円、外付けHDDが3万円前後でしょうか。これだけを見ればそれほど大きな差には見えませんね。ですが、ここでこれら機器の運用方法がこの後のコストに大きく関わってきます。
弊社での運用方法を参考にお話ししますが、NAS:こちらは『いつでも・どこからでも・すべての端末から』アクセスできることが最大の利点ですから、原則として24時間365日常時接続させています。それに比べて外付けHDDは保管庫的に使用しているため常時稼働ではなく使いたいときに電源を入れるようにしています。

さて、皆さんはHDDの製品寿命がどれくらいなのかご存知でしょうか? 『家のパソコンはもう7年もっている』とか『10年前のパソコンが今でも動く』なんてことも耳にしますよね。じゃーHDDってそんなにもつの?思いがちですが、じつはHDDの寿命は一般的に『10,000時間』と言われています。(家庭用カテゴリー) これを24時間常時稼働で日数に換算すると何と『417日』! つまり2年ももてば幸運と考えるのが妥当と言えるでしょう。現実に以前私が携わった企業様でも、購入して2年を経過したあたりからバタバタと再起不能になっています。ご家庭のPCが7年も8年ももっているというのは、せいぜい1日数時間ほどの使用頻度だからな訳ですね。 ※HDDの寿命についてはまた別なコラムで詳しく掲載します

ではNASの寿命を2年とした場合、上記6万円を年間維持費に換算すると→『30,000円/年』となります。
続いて外付けHDDが8年もったとした場合の年間維持費は→『3,750円/年』となり、これが本当の意味での費用(負担)であると言えるでしょう。

このように、IT機器は選択した設備の性質や運用方法によって負担が大きく異なります。事業規模や、導入後の効果、将来的な方向性などご要望に応じたご提案をさせて頂きますので、ご検討の際は是非お気軽にお問い合わせください。